皆さんは理学療法士・作業療法士・言語聴覚士にどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「やりがいのある仕事」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、ネットで調べてみると、「大変」「辛い」という意見もたくさん見受けます。
実際、理学療法士・作業療法士の仕事に対しては、「やりがいがある」と言う意見があれば「やりがいがない」という意見も多数見かけます。
多数の意見があるため、この仕事に興味を持ち、色々と調べている人の中には、混乱してしまう人もいるでしょう。
そこで、今回は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のやりがいに焦点を当てて解説していきます。
私は現在作業療法士として働いています。
経験談をもとに、リハビリ職をしていてどのような瞬間にやりがいを感じるのか、やりがいを感じられる人の特徴などについて解説していきます。
理学療法士・作業療法士にやりがいを感じるかどうかは人それぞれ
理学療法士・作業療法士にやりがいを感じるかどうかは人によって異なります。
私自身は、仕事をしていて、やりがいを感じています。
患者の体が良くなった時、リハビリが上手くなった時にはやりがいを感じることも多いです。
しかし、不満が色々あるのも事実。
リアルなテンションで言うと「まあ、諸々不満はあるけどやりがいのある仕事だとは思う」といった感じです(笑)。
仕事に対する不満は人それぞれ。
職場環境によって、大変さや辛さも異なります。
そのため、仕事に対する不満が多かったり、職場環境、この仕事自体があっていない人は、逆にやりがいを感じられていない可能性もあります。
実際に、私も働いて1年目、2年目の頃はやりがいをあまり感じていなかったことを覚えています。
正直この頃は1日を終えるのに必死で、やりがいなんて考えている余裕もありませんでした。
理不尽に怒られることもあり、「やめたい」と強く思っていたときもあります。
対人トラブルがあったり、勉強をしなければいけなかったり、先輩や他部門に厳しくされたりと、辛い一面もあるのがこの仕事です。
また、成果を上げても給料は上がらない傾向にあり、内的報酬で達成感や自己効力感を高める必要もあります。
このように、人によってはリハビリ職が合わない、成果が給料に反映されなくてモチベーションが上がらないと言う場合もあるのです。
理学療法士・作業療法士がやりがいを感じる瞬間5選
それでは理学療法士・作業療法士はどのような場面でやりがいを感じるのでしょうか。
仕事をしていてやりがいを感じる瞬間は以下になります。
- クライアントにありがとうと言われた時
- クライアントと立てた目標が達成した時
- 勉強した知識や技術が活かされた時
- 後輩指導をしている時
- 他スタッフと協力してクライアントを退院させられた時
上記のような瞬間にやりがいを感じます。
それではそれぞれについて詳しく解説していきましょう。
クライアントにありがとうと言われた時
クライアントに「ありがとう」と感謝された時はやりがいを感じます。
特に退院時に「ありがとう」と感謝されると嬉しいものです。
理学療法士・作業療法士の特徴はクライアントから直接感謝をされる機会が非常に多い点になります。
この言葉で、自分が他者に貢献できていると実感することができます。
実は、他者や社会への貢献を感じられやすい職業の満足度は高いと言われており、理学療法士・作業療法士はこれに当てはまると言えます。
クライアントとの目標が達成した時
リハビリをする際は、患者や利用者とリハビリの目標を立てます。
クライアントと一緒に立てた目標が達成した時にはやりがいを感じるものです。
もちろんクライアントが良くなって嬉しいという感情もありますが、自分のリハビリに効果があったという嬉しさと安心感も大きいです。
このリハビリで成果は出るのかな、と不安に感じることもあるため、成果が出た時は達成感や嬉しさを感じます。
仕事において、スモールステップで目標を立てることで達成感が感じられ、満足感が得られると言われています。
リハビリには、クライアントと明確な目標を立てるいう考えがあるため、目標達成によりやりがいを感じることができるのです。
自分の知識や技術が活かされた時
勉強した知識を使って訓練をしたらクライアントの身体が良くなった、こんな時はやりがいを感じます。
リハビリ職には勉強が必要。
疾患やその人に合わせた訓練が必要になるため、勉強無しで成果を出すのは難しいのです。
勉強したことを活かして訓練をしたのちに結果が出た時は、「勉強したかいがあった」と嬉しくなります。
自分の努力が少しでも報われたという感覚は嬉しいものです。
後輩指導をしている時
セラピストの中には、後輩指導に対してやりがいを感じている方も少なくありません。
私自身はあまり得意ではないですが、人に教えるのが非常にうまい人もいます。
理学療法士・作業療法士は単純な定型業務を教えるだけでなく、クライアントを良くするための技術や知識を後輩に教えることが必要。
自分の知識や技術は、患者だけでなく、後輩セラピストに教えるという形で役立つのです。
指導していた後輩の成長を見た時にやりがいを感じるのでしょう。
他スタッフと協力して自宅退院させられたとき
クライアントの中には、身体機能や生活背景の影響によりなかなか退院できない方がいます。
しかし、いつまでも入院・入所させておくわけにもいかないのが現実。
そして、何より患者自身は自宅退院を強く望むケースが多いです。
医療、福祉の現場では、リハビリスタッフ、ソーシャルワーカー、看護師、医者などの様々な職種が協力して退院支援をします。
この退院支援がなかなか大変なんです(笑)。
しかし、難渋した患者を皆んなで協力して退院に繋げられた時の達成感は強いですね。
実はリハビリ職にやりがいを感じてない人も多い
前述したとおり、リハビリ職に対する感じ方は人それぞれ。
中には理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の仕事にやりがいを感じていない人も多いのです。
- 人と関わるのが好きでない人
- 仕事において給料を重要視している人
このような方達はあまりやりがいを感じられない可能性があります。
また、やりがいだけでは続けていけないのも現実で、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士はやめとけなんて言葉もよく耳にします。
そのため、やりがいは感じていながらも、この仕事を辞めていく人がいます。
私自身、この仕事にやりがいはあると思いますが、誰にでもお薦めしようとは思いません。
理学療法士・作業療法士の仕事にやりがいを感じない人の特徴、理学療法士・作業療法士がやめとけと言われる理由に関しても当サイトで詳しく解説しているため、気になる方は是非そちらもご参照ください。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士にやりがいを感じられる人の特徴
それではどのような人はやりがいを感じることができるのでしょうか。
理学療法士・作業療法士をしてやりがいを感じられるのは以下のような人です。
- 社会や人に貢献したい人
- 勉強が好きでスキルを磨きたい人
- お金を1番に考えていない人
社会や人に貢献したい人
誰かの役に立ちたい、社会に貢献したいという思いが強い人はやりがいを感じやすいです。
理学療法士・作業療法士は患者や利用者の自宅復帰、社会復帰を目標にすることが多いです。
施設での生活をする人に対しても、その人がやりたいことを目標に支援します。
そのため、感謝の言葉を貰いやすかったり、実際に復職までするクライアントもいたりと、社会に貢献しているという実感が得られるのです。
勉強が好きでスキルを磨きたい人
勉強が好き、スキルを磨いて手に職をつけたい、このように考えている方はやりがいを感じやすいです。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士に勉強やスキル磨きは必須と言えます。
この仕事をするなら生涯勉強が必要を考えておいた方が良いでしょう。
その分、専門職ならでは技術を身に着けることができます。
磨いたスキルはクライアントを良くする、後輩に教えるという形で役立てることができるのです。
給料こそは高くないですが、スキル磨きを怠らないことで、貴重な人材になれます。
お金を1番に考えていない人
給料に執着している人は、この仕事でやりがいを感じるのは難しいです。
なぜなら理学療法士・作業療法士の給料は安いからです。
この仕事はやりがいを感じる反面、大変なのも事実です。
大変と言われる理由は、仕事内容、求められる自己研鑽のわりに給料が安いからです。
仕事において給料を大切にしている人は「こんなに大変なのにこの給料か」とやる気の喪失につながる可能性があります。
理学療法士・作業療法士の給料に関しても当ブログで詳しく解説しています。
給料が気になる方はそちらもご確認ください。
どうしてもやりがいを感じられない場合は転職を考えよう
すでにこの仕事をしていて、「どうしてもこの仕事にやりがいを感じない」このような方もいるかと思います。
仕事には向き不向きがあるため、そういった方には転職もありかと思います。
若いうちであれば、未経験の転職も可能です。
転職の際は転職エージェントや転職サイトをフル活用するのがおすすめ。
リハビリ職から他職種への転職についても解説しているため、転職を考えている方はそちらも是非参考にしてください。
仕事選びに悩んだ時に役立つ本
ここまでの解説を聞いて、「リハビリ職を目指してみよう」と思う人もいれば、「やっぱり違う仕事を探してみようかな」と思う人もいるはず。
仕事選びは今後の人生を左右するため、どんな仕事をしたいのか、自分は仕事に対して何を求めているのか、などの価値観をまとめる必要があります。
自分の仕事に対する軸を固められない人には「科学的な適職」という書籍がおすすめ。
お金を一番に考えている人は、給料の高い職場に勤めれば良いでしょう。
しかし、この本では、お金以外に、仕事や給料の満足度を高めてくれる仕事の要素について解説してくれています。
研究結果をもとに解説しているため、まさに科学的な視点で仕事選びについて考えることができのです。
まとめ
今回は理学療法士・作業療法士のやりがいについて解説してきました。
この仕事はやりがいのある仕事です。
しかし、人によってはやりがいを感じられないこともあります。
他者に貢献しているという感覚を得られやすい反面、給料が安いわりに業務内容が大変だと感じてしまい、やりがいを感じられないひともいるのです。
他者への貢献を大切にしている人、お金に対する価値観が高くない人、このような方はこの仕事に就いてもやりがいを感じられる可能性が高いと言えるでしょう。
この仕事が自分の価値観に合っているかを確認した上で職業、職場選びをしましょう。
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