理学療法士と作業療法士の仕事は「辛い」といった意見を良く耳にします。
これから理学療法士・作業療法士になろうと考えている方にとっては嬉しくない情報ですよね。
それでは、理学療法士・作業療法士の仕事は本当に辛いのでしょうか。
今回は現役作業療法士の私が、理学療法士・作業療法士の辛さを紹介していきます。
- 理学療法士・作業療法士は辛いのか
- 理学療法士・作業療法士をしていて辛いと感じる瞬間
- 特に辛いのは1年目?
- 少しでも楽に働く方法
本記事では実体験を交えて、理学療法士・作業療法士の現実を紹介していきます。
理学療法士・作業療法士は素晴らしい仕事ですが、正直気軽におすすめできる仕事ではありません。
仕事選びは下調べが大切です。
理学療法士・作業療法士は辛い?
理学療法士・作業療法士は辛いことが多いです。
これは紛れもない事実です。
実際に働いていて、「辛い」と感じることは少なくありません。
精神的に病んでしまう人、この仕事が嫌で辞める人も多いです。
もちろん、辛いことだけでなく、楽しいことややりがいを感じることもあります。
しかし、人間は嬉しい出来事よりも悪い出来事の方が記憶に残りやすいと言われており、辛いところから目を背けるわけにはいきません。
この後は具体的にどのような辛さがあるのか、経験談を交えて解説しているため是非参考にしてみてください。
また、理学療法士・作業療法士のメリット、楽しい瞬間についても以下の記事で紹介しているため是非参考にしてください。
理学療法士・作業療法士の楽しい瞬間!リハビリ職に良い所はある?
- 理学療法士・作業療法士の仕事は辛い
- もちろんやりがいや楽しみもある
理学療法士・作業療法士の仕事が辛い理由
理学療法士・作業療法士の仕事が辛い理由としては以下が挙げられます。
- 常に勉強が必要
- スケジュールがタイトで忙しい
- 職場内の人間関係で疲れる
- リハビリ以外の仕事が多い
- 利用者や家族とのトラブル
- プレッシャーと責任感
- 命と関わっている
- 休みが少ない
職場によって異なる部分もありますが、理学療法士・作業療法士が辛いのは上記のような理由です。
それではそれぞれについて解説していきます。
常に勉強が必要
理学療法士・作業療法士として仕事をする場合、常に勉強が必要です。
職場の上司や先輩からは自己研鑽、スキルアップを求められます。
また、知識や技術は常にアップデートされており、学校では習わなかったことも働きながら学ぶ必要があるのです。
確かにこの仕事をしている以上、利用者の体を良くするために努力が必要です。
しかし、どんなにスキルを磨いて利用者の体を良くしても、給料アップや昇格に繋がりにくいのがこの仕事の残念なところです。
勉強が好きでない人にとってはこの環境は辛いです。
また、仕事をする上で、金銭や承認欲求以外のやりがいを見つけなければいけません。
スケジュールがタイトで忙しい
スケジュールがタイトな職場が多いのも特徴です。
休憩時間がまともに取れない、朝に早くきて仕事をしないと業務が終わらない、なんてことは少なくありません。
理学療法士・作業療法士は1日8時間労働のうち、6~7時間程度をリハビリに費やします。
残りの1時間で書類業務や情報共有、後輩指導、ミーティングを行う必要があるのです。
職員数が足りていない職場では特にスケジュールがタイトになりやすい傾向にあります。
ゆっくりトイレに行く時間もない日もあります。
職場内の人間関係で疲れる
福祉関係の業種すべてに言えることですが、多職種の連携が非常に重要です。
理学療法士・作業療法士は先生や看護師、介護士、ソーシャルワーカーとのコミュニケーションを密に行います。
もちろんリハビリ職間でのコミュニケーションも必要です。
利用者とのコミュニケーションだけでなく、職員とのコミュニケーションも常に必要な仕事になります。
先輩のセラピストと考えが合わない、看護師と揉めてしまうなんてことは少なくありません。
多職種との連携が上手くできず悩む人も多いです。
これらから、職場内の人間関係で疲れてしまうことがあります。
リハビリ以外の仕事が多い
理学療法士・作業療法士として働く人の多くは、利用者のリハビリがしたくてこの仕事につきます。
しかし、実際に働いてみるとリハビリ以外の仕事もたくさんあります。
例えば、書類業務やケアマネージャーへの連絡、家族との情報共有などです。
このリハビリ以外の仕事が嫌という人は非常に多いです。
大学や専門学校で学んでいるだけでは、この現実には中々気づくことができません。
いざ働いてみて、理想と現実のギャップに嫌気がさしてしまうことがあります。
利用者や家族とのトラブル
利用者や家族とのトラブルで辛いと感じることがあります。
もちろん、理学療法士・作業療法士は賃金の発生するお仕事なので、利用者や家族のニーズにしっかりと対応する必要があります。
しかし、人間関係とはいつも上手く行くわけではありません。
こちらがどんなに気を付けていてもトラブルに発展してしまうことはあります。
中には理不尽な方もいますし、易怒的・暴力的な方もいます。
それでも、理学療法士・作業療法士は利用者や家族が求めればリハビリやサービスの提案をしなければなりません。
こういったクライエントや家族との関係で悩むことも多いです。
プレッシャーと責任感
理学療法士・作業療法士の役割を超大雑把に言うと「体を良くすること」です。
利用者の中にはリハビリにすごく期待している人もいます。
「今は座ることすらできないけど歩けるようになるんじゃないか」「今は全く歩けないけどゴルフがしたい」など、人間であれば動けなくなってもこのような欲求が出てくるのは至極全うです。
だからこそこのプレッシャーや責任感に押しつぶされそうになるころがあります。
「期待に答えなければいけない」「リハビリしても全然改善が得られない、どうしよう」など、不安や悩みで頭を抱えることもあります。
もちろん上手くいったときは達成感や楽しい感情も出てきますが、期待に答えようとするあまり悩みすぎてしまうことも少なくない仕事です。
命と関わっている
理学療法士・作業療法士は看護師や先生と違って注射や薬の投与など直接的な治療は行いません。
それでも常に命と関わっている仕事です。
病状が落ち着いていない方でも、先生から依頼があれば理学療法士・作業療法士はリハビリを行います。
リハビリ中に急変してしまう可能性だって十分にありえます。
何かあったときは、迅速に適切な対応をしなければいけません。
このように常に命と関わっている仕事であるため、精神的ストレスを感じることがあります。
休みが少ない
理学療法士・作業療法士が働く施設や病院は休みが少ない職場が多いです。
中には年間120日程度の休みと年末年始、夏休みを用意してくれている職場もありますが、そう多くはありません。
実際に求人を見ると休日が90~100日台の職場が非常に多いです。
加えて有給が使いやすいとも限りません。
特に、地方で職場を探す人は要注意です。
そもそも少ない就職先の中から、休みの多い職場を探すのは簡単な事ではありません。
私も転職経験がありますが、求人数は多いものの待遇の良い職場を探すのは大変でしたね。
仕事がきつい時の対処法
先ほどは、理学療法士・作業療法士の辛い面を紹介しました。
それでは、少しでも快適に仕事をするにはどうしたらいいのでしょうか。
- 経験を積んで慣れる
- タイムマネジメントを磨く
- 知識と技術を身に着ける
- 目標を決める
- コミュニケーション能力を身に着ける
- 嫌な職場なら転職する
上記のような工夫やスキルを身に着けることで、仕事は楽になります。
場合によっては楽しいと感じることも多くなります。
それではひとつずつ解説していきます。
経験を積んで慣れる
まず、単純なことですが、経験を積んで理学療法士・作業療法士という仕事に慣れるというのは大切です。
私が実際に経験して思うのは、働き始めが非常にきついということです。
リハビリで何をしたらいいのか分からない、誰に話しかけたらいいのか分からない、カルテが上手く書けないなど多くの壁に直面します。
しかし、これらは基本的に慣れが解決します。
2年目、3年目と経験を重ねることでこのようなストレスはだいぶ減ります。
これはどの仕事にも言えることかもしれませんが、経験を積んで慣れることで、今までより楽に働けるようになります。
タイムマネジメントを磨く
タイムマネジメントを磨くことで、タイトなスケジュールでもしっかりと休憩を取れたり、残業を減らせるようになります。
私も、働き初めの頃は全然休憩が取れず、朝もすごく早く出勤して仕事をしていたことがありました。
しかし、職場の環境や動きを意識した時間管理をするようになってからは改善できました。
朝のサービス労働や休憩時間を減らすことがほとんどなくなったのです。
それでも忙しすぎる日は残業をしてしまいますが(笑)。
タイムマネジメント磨くことで、休憩やプライベートの時間が作れるようになるのは確かです。
知識と技術を身に着ける
知識と技術を身に着けることで仕事のやりがいや楽しみを感じるようになります。
今までよりも利用者の体が良くなったとき、新しく身に着けた知識が役立った時は達成感を感じます。
知識や技術を身に着けていくことで、理学療法士・作業療法士という仕事のお金以外のやりがいを見出せるかもしれません。
新人セラピストに向けたおすすめの書籍に関しても当ブログで紹介している為、気になる方は読んでみてください。
コミュニケーション能力を身に着ける
理学療法士・作業療法士は利用者や家族、多職種と関わるため良好な人間関係が非常に重要な仕事です。
そのために大切なのはコミュニケーション能力になります。
そもそもコミュニケーション能力に自信がないと対人関係においてストレスを感じてしまいます。
積極的に上司や多職種と話してみるなどしてコミュニケーション能力を磨くことが大切です。
職場の人と仲良くなると業務はだいぶ行いやすくなります。
特に、今まで苦手だった人との関係には有効です。
仲良くなることで対応がガラリと変わることもあります。
嫌な職場なら転職する
「いろんな努力をしてみたけどどうしてもこの職場は自分には合わない」こんなこともありえます。
そういったときは転職を視野に入れてみましょう。
嫌な職場で長く働いていもメリットは少ないです。
本記事では理学療法士・作業療法士の辛い点を紹介していますが、すべての職場がこれに当てはまるとは限りません。
中にはスケジュールに余裕があって休みを取りやすい職場もあります。
一度視野を広げてみるのも良いかと思います。
転職の際は転職エージェントを利用するのがおすすめです。
求人紹介に加えて、スケジュール調整や面接練習なども行ってくれる為、転職経験がない方や忙しい方にお勧めです。
リハ職のまま転職したい場合は、マイナビコメディカルといったコメディカル職に特化したサービスがあります。
また、一度、他の仕事に就いてみたい方は、一般企業への転職を対象としている、リクルートエージェントやマイナビエージェントが有名どころですね。
まずは安心感のある大手から利用してみるのも良いかと思います。
その他、理学療法士・作業療法士の転職に関しては以下のカテゴリで解説しています。
転職 | セラピストの生活 (ptotlife.com)
1年目は特に辛い?
これはどの職種にも言えることかもしれませんが、1年目は特に辛いことが多いです。
新人ということで基本的に舐められます。
福祉・医療の職場は忙しく、バタバタしている影響もあってか、職場内でかなり強い口調で文句を言われることも多々あります。
職場によっては残業も多くなります。
忙しい職場だと上司や先輩達も指導をする余裕がありません。
業務後から指導開始せざる負えない職場も少なくないです。
また、1年目の時期は知識や技術が不足しています。
そんな状態でも、入職して数か月後には1人でリハビリをすることになります。
様々な不安やプレッシャーが襲います。
家に帰っても仕事のことばかり考えてしまうことも少なくありません。
この他にも、1年目は辛いことがとにかく多いです。
そのため、1年目の時点で辞めてしまう方も少なくありませんね。
まとめ
今回は理学療法士・作業療法士という仕事の辛さについて解説をしてきました。
本記事のまとめは以下になります。
- 理学療法士・作業療法士の仕事は辛いことが多い
- 勉強、忙しさ、人間関係、理想とのギャップ、クライエントとのトラブル、体を良くしなければというプレッシャー、命との関り、休みの少なさに辛いと感じる
- 少しでも楽に働く為に、経験を積む、上手く時間管理する、技術を身に着ける、職場の人と仲良くなる、転職するなどの工夫が必要
- 1年目は特に辛く、この時期に辞める人も多い
理学療法士・作業療法士の仕事は辛いことも多いですが、良い点もたくさんあります。
この仕事のメリットも今後紹介していくので是非またご覧ください。
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